子どもの権利を守るということ 豊島区議会議員 水谷 泉
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2004 年 11 月 22 日    
子どもの権利を守るということ

 「子ども」と言っても、いくつからいくつまでが子どもなのか、という議論もあります。上限は18歳ということは、大方の共通するところですが、妊娠中の胎児となるとその権利をどう守るか、また自らの権利を主張することは困難でしょう。

 私事で恐縮ですが、私には2人の息子がいます。今は二人とも高校生ですが、私は彼らが口がきけるようになってから、いつでも彼らの意見を聞くようにしてきたし、進路にしても何にしても、こちらから何かを押し付けることなく、対等な一人の人間として接してきたことと密かに自負していました。
 
 でも、ふと、かつてとんでもないことをしたことを思い出しました。 上の子がまだ口がきけないとき、こちらの思い込みだけで、後から考えると絶対に嫌がっていたことを無理やり続けていたことを。
 
 それは、彼が1歳前後に半年ほどだったか通っていたベビースイミングです。
 私は自分が水泳が大好きだし、生まれたばかりの子は水に入れるとお母さんのおなかの中を思い出して安定するものだ、のようなことが、育児雑誌などに書かれていたこともあったし、彼を産んだ病院で仲良くなった人に誘われて、今は無き後楽園のプールに通っていたのでした。
 しかし、当人は喜ぶどころか、怯えきって泣き叫び通し。友人の息子さんは楽しそうだったので、うちもそのうち慣れるかな、と思いながら通っていたのですが、実は私は彼が8ヶ月の時に次の子の妊娠が判明していて、臨月のおなかを抱えて、泣き叫ぶ子どもを水に入れることもないか、とスイミング作戦は断念したのでした。(私はよっぽど私は水泳がしたかったらしく、マタニティスイミングにも通っていました。)

 彼は小学生になってから、今度は特に嫌がりもせず、何年間もスイミングクラブに通い、それなりに泳げるものの、彼にとってベビースイミングは完全にトラウマになっているらしく、大変な苦手意識と、「人が泳いでいるのを見ても苦しくなる」、と言われたときは、親の思い込みで完全に子どもの人権を無視したことを深く反省したのです。 
 
 親は「しつけ」のつもりでも外から見れば明らかに幼児虐待ということがよくありますが、私もほとんど同じことをしていたと思うと我ながら恐ろしいです。「こうあって欲しい」と親の価値基準で子どもを動かそうとすることは、やっぱり権利の侵害だと思います。
 子どもは自分のことを自分で選んで決めるべきです。親ができることは、そのときできるだけたくさんの選択肢を用意することだと思います。
 でもそれは子どものわがままをそのまま受け入れる、ということとは違います。この点への理解が進まないことが「子どもの権利条例」の制定がなかなか進まない原因になっていると考えられます。きちんと意見を受け止めながら、聞く側も真剣に意見を言う、このやりとりから両者が得るものは大きいと思います。

 誰もがお互いを大事にし合える関係があって、それが広がっていくまちになったら素敵だと思いませんか。


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